映画『鹿の国』映画『鹿の国』
『鹿の国』
2025年/98分/カラー/日本/日本語/DCP

2025年正月、命めぶくロードショー
ポレポレ東中野岡谷スカラ座
前売り券1,500円 劇場窓口にて絶賛発売中!
(販売取扱のない劇場もありますので、各劇場までお問い合わせください。前売券はオンライン座席予約には使用できません。)
※映画『鹿の国』はアプリUDCast方式による、バリアフリー日本語音声ガイド、バリアフリー日本語字幕表示に対応しています。
監督:弘理子 プロデューサー:北村皆雄

語り:能登麻美子・いとうせいこう
音楽:原摩利彦
出演:中西レモン・吉松章・諏訪の衆
撮影協力:諏訪大社
製作・配給:ヴィジュアルフォークロア 
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(映画創造活動支援事業)
   独立行政法人日本芸術文化振興会


予告編

イントロダクション

なぜこの土地に、
これほど心が騒ぐのか?

日本列島のヘソ、諏訪盆地に位置する日本最古の神社の一つ、諏訪大社。年間200回を超えるその祭礼は謎に満ちている。重要神事で降ろされる古い神・ミシャグジ。そして神事に欠かせないとされた鹿の生贄……。ネパールやチベットで生と死の文化を追ってきた監督・弘理子(ひろ・りこ)は、四季の祭礼を追ううち、そこにあるいのちの循環への原初の祈りに気づく。そして、長らく畏怖と謎に包まれてきた中世の「御室神事(みむろしんじ)」の再現に挑む。厳冬の3カ月間、神域の穴倉に籠められた生き神・少年大祝(おおほうり)の前で繰り広げられた芸能とは?そして春4月、化粧を施されて出現する大祝に捧げられた75頭の鹿の首の意味とは?冬から春へ、死から再生へ。美しい四季とともに3年をかけて描き出された、現代社会を生きる私たちが忘れかけていた原初の祈りの姿。
数々の映像民俗学作品を手がけてきた北村皆雄が、プロデューサーを務める。語りは、声優の能登麻美子といとうせいこう。音楽を、国内外のアーティストから高く評価されている音楽家の原摩利彦が担う。

ストーリー

はるか昔、大地が引き裂かれることで誕生した巨大なくぼ地、諏訪盆地。
ここでは古来、鹿を贄とする祭礼が行われてきた。
それを伝えてきたのは全国に1万社ある諏訪神社の総本社、諏訪大社。
この地域の人たちにとって、鹿とはどんな存在なのか?

答えを求めて、600年前に途絶えた謎の「御室神事」を再現する。
それは凍てつく冬、3ヵ月間にわたって行われていたという。

半地下の穴蔵に籠って、鹿の贄を食し、豊穣を願う芸能を奉納していたのだ。
わずかな史料を手掛かりに、神事を司っていた生き神・大祝(おおほうり)、神の使いとされた
少年たちの存在と、正体を明らかにする。
時空を超えてよみがえったのは、穀物と動物の命を重ねる、他に類を見ないいのちへの眼差し。

春が巡り来ると、神前に75頭の鹿が捧げられた。
今でも猟師は、鹿の肉を捧げに諏訪大社にやって来る。そこで手にする一枚の札――、
仕留めた鹿を贄とし、それを人が食すことで鹿が生きる

太古の昔から諏訪の地を支配してきた自然信仰「ミシャグジ」、そして神と仏たち。
それらが盆地の中で重なり混じりあうことで形作られた独特の世界が、今もある。

スタッフ

弘 理子
監督:

弘 理子
(ひろ・りこ)

ネパールに留学し、ヒマラヤの山村に滞在しながらドキュメンタリー制作を始める。‘自然と祈り’をテーマに作品を作り続け、代表作に、神に捧げられる少女たちの運命を追った「ヒマラヤ・娼婦になった女神たち」、「少年と子ヤギの大冒険~ヒマラヤ越え300日・塩の道」、「ガンジス河口 世界最大のマングローブ林に命あふれる」ほか。2012年から続くNHK「にっぽん百名山」も担当。『鹿の国』が初の劇場公開長編作品となる。
北村 皆雄
プロデューサー:

北村 皆雄
(きたむら・みなお)

1942 年長野県伊那市生まれ。早稲田大学第一文学部演劇専修卒。
ドキュメンタリー映画監督、映像民俗・人類学者。ヴィジュアルフォークロア代表。
代表作に『カベールの馬−久高島イザイホー』(1969)、『アカマタの歌』(1973)、『見世物小屋』(1997)『修験』(2005)、『ほかいびと』(2011)、『冥界婚』(2016)、『チロンヌㇷ゚カムイ イオマンテ』(2021)『倭文(しづり) 旅するカジの木』(2024)などがある。
原 摩利彦
音楽:

原 摩利彦
(はら・まりひこ)

京都大学教育学部卒業。同大学大学院教育学研究科修士課程中退。静けさの中の強さを軸にピアノを中心とした室内楽やフィールドレコーディング、電子音を用いた音響作品を制作する。2020年にアルバム『PASSION』をリリースし、その後2021年に『ALL PEOPLE IS NICE』をデジタルリリース。アーティストグループ「ダムタイプ」へ参加。野田秀樹作・演出の舞台『正三角関係』『兎、波を走る』『フェイクスピア』『Q』等、ダミアン・ジャレx名和晃平のダンス作品『VESSEL』、森山未來x中野信子xエラ・ホチルドの舞台作品『Formula』、 田中泯x名和晃平の舞台作品『彼岸より』、彫刻家名和晃平のインスタレーション作品、JUNYA WATANABE COMME des GARCONSのショー音楽、東京2020オリンピック開会式追悼パート(森山未來出演)、映画『流浪の月』(監督:李相日 出演:広瀬すず・松坂桃李)、映画『ロストケア』(監督:前田哲 出演:松山ケンイチ・長澤まさみ)、NHKドラマ『幸運なひと』(出演:生田斗真・多部未華子)、NHKドラマ『デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士』(出演:草なぎ剛)、NHK『日曜美術館』新テーマソング(坂本美雨と共作)、Apple Japan やNetflix のCM など多岐にわたって音楽を手がけている。2024年9月に開催された世界遺産を舞台としたコンサート「音舞台」にて音楽監督を務め、出演も果たした。令和3年度京都府文化賞奨励賞受賞。Marihiko Hara&Polar M として 2023 年フジロック・フェスティバルへ出演。2024年11月「PIANO ERA」へ出演予定。
公式サイト:https://www.marihikohara.com/

撮影協力

諏訪大社
(すわたいしゃ)

諏訪大社は、長野県の諏訪湖を囲むように、上社前宮と本宮、下社春宮と秋宮の四社からなる神社。創建は古く、古事記の国譲り神話にまでさかのぼり、最も古い神社の一つとされている。なかでも本宮、春宮、秋宮は本殿を持たず、自然そのものを御神体とする古来からの信仰の姿を現在に伝えている。北は北海道から南は鹿児島に至るまで、全国各地の御分社は1万有余。その総本社が諏訪大社である。
古くから諏訪大神、お諏訪さまと親しまれ、雨や風、水の守り神として龍神の信仰としても広く崇敬を集めている。厳しい自然を生きる諏訪の人々は、殺生は罪悪として狩猟を忌み嫌う時代にも、お諏訪さまから神符を授かり、生きるために鹿肉を食べることを許された。精進潔齋を形だけするものより、ものを食べても真心を込めて祈るものを救おうという御神託は諏訪大明神と共に時代を生きた先人に深く信仰されてきた。
(諏訪大社公式サイト:https://suwataisha.or.jp/ 「諏訪大社とは」より編集)

キャスト

  • 語り:

    能登 麻美子(のと・まみこ)

    石川県出身。声優。人気アニメ作品に多数出演しているほか、ナレーターとしても数多くのCMや映像作品に参加している。
    主な出演作に「君に届け」シリーズの黒沼爽子役、「地獄少女」シリーズの閻魔あい役、「CLANNAD」一ノ瀬ことみ役、「マリア様がみてる」シリーズの籐堂志麻子役、「ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない」山岸由花子役、「ケロロ軍曹」アンゴル=モア役、「機動戦士ガンダム 水星の魔女」プロスペラ役など。

  • 語り:

    いとうせいこう

    1961年生まれ、東京都出身。1988年に小説「ノーライフキング」でデビュー。
    1999年、「ボタニカル・ライフ」で第15回講談社エッセイ賞受賞、「想像ラジオ」で第35回野間文芸新人賞受賞。近著に「鼻に挟み撃ち」『「国境なき医師団」を見に行く』「小説禁止令に賛同する」「今夜、笑いの数を数えましょう」「ど忘れ書道」「ガザ、西岸地区、アンマン」「福島モノローグ」「われらの牧野富太郎!」「今すぐ知りたい日本の電力」「ラジオご歓談!爆笑傑作選」「東北モノローグ」などがある。
    みうらじゅんとは共作『見仏記』で新たな仏像の鑑賞を発信し、武道館を超満員にするほどの大人気イベント『ザ・スライドショー』をプロデュースする。現在はnoteで「ラジオご歓談!」「見仏記」を配信中。
    音楽活動においては日本にヒップホップカルチャーを広く知らしめ、日本語ラップの先駆者の一人である。現在は、ロロロ(クチロロ)、いとうせいこう is the poetで活動。
    テレビのレギュラー出演に「ビットワールド」(Eテレ)、「楽しく学ぶ!世界動画ニュース」「フリースタイル日本統一」(テレビ朝日)などがある。
    Xアカウント:h\ttps://twitter.com/seikoito/

コメント

Coming Soon...
  • 「台本を読ませていただいてから、倭文を蘇らせるという挑戦に心躍っていました。その時代にどんな想いでこの布を作ったのか、その布に込めたであろう物語に思いを寄せる。そんなこころの旅のような映画のナレーションを担当させていただいたことを改めて光栄に思います。是非観ていただきたい映画です。」

    冨永 愛(本作語り/モデル)

  • 深く感動した。淡々としてしかも時空を自在に、何と壮大にして緻密、日本の源流が浮かび上がる。そして人類の未来に一筋の光を示唆する黙示録にも、私には見えた。

    麿 赤兒(本作出演/舞踏家/俳優)

  • この映画は、衣類の大量生産時代に、衣の本来持つべき力を、倭文神の宿る衣を復興させようとする取り組みだと思いました。

    コムアイ(本作出演/アーティスト)

  • この映画で北村皆雄は二つの大きな人類学上の発見をしたのである。しかしそのことをさりげなく映画に埋め込んで大騒ぎをしなかった。これが彼のスタイルである。人類学映画だろうとなんだろうと、映画というものは純正なものと雑多なものが混在していなければならない。そう信じて北村皆雄は自分の映画のスタイルを貫いてきた。」

    中沢 新一(思想家)

  • 「人はこの世に生まれて布にくるまれる。最期の時もまた布とともにある。たとえ衣服を身につけない民族であっても、腰や手首に細い紐を巻いている。その紐はあくまでも衣服なのであって、彼らの身体を護っているのだ。ふだんは意識すらしないほど、人間と繊維は切り分けることができないし、語りつくせないほどに大きく深いテーマである。北村皆雄監督はこれに果敢に取り組んだ。

    ひろいのぶこ
    (造形作家/染織研究/京都市立芸術大学名誉教授)

  • 自身、諏訪、そして日本のルーツをアジアの水脈から考える北村の壮大な旅の大胆な一歩であり、ドキュメンタリーの更新でもある

    四方 幸子
    (エコゾファー)

  • 「倭文の伝承を追って北村さんたちもまた気が遠くなるような永い時の旅へと出発した。今にも途切れそうな歴史の糸を績みなおし、地続きの今日へと織りあわせるために。本作はその旅の記録を編むことで産(むす)ばれた。美しく逞しい、一枚の樹皮布のような映画だ

    大小島 真木
    (アーティスト)

  • この映画は衣の始源に迫りながら、『人間とは、なにか?』という果てしのない謎について語ろうとしている

    近衛 はな
    (俳優/脚本家/詩人)

  • 「今回映画に参加したことでカジノキという植物について、またその由来や歴史について知ることが出来ました。カジノキが日本に伝わり幾多の交配を繰り返しコウゾが生まれ、どれだけの時間『績む』という手技が人から人へと受け継がれてきたかを想像すると背筋が自然と伸びる思いがします。そしてそれを伝えていくことが難しくなってきている今、なぜ績むのかと自問したら、原料を育てて日々コツコツ績んで糸を作り織った布はその土地の力だと思います。そしてその布をいい布だと必要としてくれるのであれば続けていく力が生まれてきます。」

    石川 文江
    (本作出演/楮布織)

  • 木や石 玉や鉾に神の霊力を宿すと信じた精霊信仰(アニミズム)の時代の以前、精霊などの観念を生む前はモノそのものが霊力の充満だった。外的世界と私や身体とは分離していなかった時代 、前精霊信仰(マナイズム)の世の織物が『倭文』である 。

    山口 源兵衛
    (本作出演/帯匠)

  • 織り上がった倭文の幡が荒々しい岩山の上に立つ大甕神社・倭文神の本殿にたなびいた時、大きな歴史の大河の流れと自分がふと細い臍の緒で繋がったような気がして、今もそれは続いている。

    西川 はるえ
    (本作出演/染織家)

  • 「カジノキの樹皮と共に生きてきたこと。生まれる時も死ぬ時も。この樹皮に包まれていたこと、この繊維に包まれると感じる安心感を、人は深い所で共有しています。倭文に取り組んだことは、自分の手の仕事を振り返り、深く掘り下げる旅のようでした。そして、この旅は終わりなくずっと続いていくのだと思いました。繊維を織りなしていく限り。

    妹尾 直子
    (本作出演/紙布・樹皮布)

劇場情報

関東

地域 劇場 電話番号 公開日
東京 ポレポレ東中野 03-3371-0088 1月2日(木)〜

北海道/東北

地域 劇場 電話番号 公開日

北陸/甲信越

地域 劇場 電話番号 公開日
長野 岡谷スカラ座 0266-22-2773 1月3日(金)〜
長野 相生座ロキシー 026-232-3016 1月31日(金)〜
長野 上田映劇 0268-22-0269 1月31日(金)〜

中部

地域 劇場 電話番号 公開日
愛知 ナゴヤキネマ・ノイ 052-734-7467 近日公開
    

関西

地域 劇場 電話番号 公開日
大阪 第七藝術劇場 06-6302-2073 1月18日(土)〜
京都 京都シネマ 075-353-4723 1月17日(金)〜

中国/四国

地域 劇場 電話番号 公開日
岡山 シネまるむすび 1月10日(金)〜13日(月・祝)、17日(金)〜20日(月)

九州/沖縄

地域 劇場 電話番号 公開日
鹿児島 ガーデンズシネマ 099-222-8746 2月11日(火・祝)1日限定

映画『鹿の国』自主上映のご案内

『鹿の国』の上映用ディスクを貸し出します。上映料・申し込み方法等については、下記のご案内PDFをお読みいただき、申込書をダウンロードしてお申し込みください。劇場公開が終了した地域、または劇場公開予定のない地域から順次受付を開始します。同一地域で申し込みが重複する場合には日程を調整させいただくことがありますので、まずはお問い合わせください。

お申し込み&お問合せ
(株)ヴィジュアルフォークロア info@vfo.co.jp